今日もまた手に届くもの届かないもの飽きもせず秋になるもの/はゆき咲くら
WORKS
毒を持つ桜占地が円をなすその真ん中に踊り疲れる/吉田 岬
駅前のスクランブルの交差点 行き交うひとも少し早足/ユミヨシアユム
秋桜になって秋桜撮る君のやわらかい目と見つめ合いたい/ユウ®魔力
鳥渡る 時が解決するなんておためごかしはもうやめようか/もくめ
もういいよ目隠しはずれパーティーはお開き ひとコマ季節は進む/藤平 怜
栗の皮いっしょに剥きましょしぃずかなしぃずかな潮騒の浜辺で/武井窓花
私だけご飯を掘れば次々と栗に当たれとしゃもじに祈る/竹下昌子
待ち人は今日も来ないと秋色のミルフィーユごと飲み込む言葉/月立耀
さみしさを静かに描く夏空に飛行機雲は秋の補助線/夏野ネコ
感情の起伏がまるであったかのように秋風吹き抜けてゆく/鈴木ベルキ
黄金に揺れるすすきのむこうがわ手を振るあなた甘く苦しい/菫谷らん子